いい子ほど問題児になる? 親に気を使って自分の意見を言えない子供の問題点

小さな子どもにとって、親は特別で絶対的な存在。親が我が子を思いやるように、子ども達もパパやママのことが大好きです。しかし、親が好きだという気持ちが強いために、親の望むような子でありたいと無理をしてしまうお子さんが増えてきています。

今回は、親に気を遣ういい子が増えている現状と、成長過程でどのような影響があるのかということについて考えていきたいと思います。


親の前で自分をさらけ出せない子ども達

近年、親の前ではいい子を演じてしまう…という子が増えています。よく耳にするのは、次のようなケースです。

・親の前ではいい子なのに親がいないと態度がコロッと変わってしまう。
・問題行動が目立つので親に注意したら家ではまったく態度が違っていた

家では騒がしい!言うことを聞かない!でも外面だけはいい。というようなお悩みをお持ちのパパやママもいると思いますが、それとは正反対のパターンです。

確かに、家庭の中でいい子でいてくれることは親にとっては手がかからずとても楽かもしれません。でも、親の前で常にいい子でいるということは、子どもの成長過程においては問題点が多いので心配されています。

子どもには自我がある

子ども自身にも、自分の意見や考え=自我があります。生後半年頃の赤ちゃんのときから自我が芽生えてくると言われていますので、いくら小さい子でも、子どもなりに自分の思いというものを持っています。そのため、小さい子は自分の思い通りにいかなくなると、泣いたり怒ったりしながら、自分の主張を通そうとする行動をとることが普通です。

年齢が上がってくると、思春期や反抗期を迎え、親に口答えをしたり聞こえないふりをしてみたりと、生意気な態度に手を焼くこともあるでしょう。でも、それは親にだからこそ取る態度なのです。家の中では自分を出せる、そのような態度をとっても親は自分のことを嫌わずにいてくれるという安心感を持っている証拠でもあります。

なぜ親に気を遣う子どもが増えているのか?

親の前ではわがままを言えない…という子が増えている背景には、家庭が親中心の価値観や考えで成り立っていることがあると言えます。子どもの考えを聞かず、親の考えで決めてしまうことが多くなってきていることが原因です。

例えば、親の思い通りにできないと叱ったり押さえつけたりしてしまうことや、子どもに完璧を求めてしまい失敗をさせないようにしているようなケースです。子ども達は、いい子=親にとって都合のいい子・聞き分けのいい子・何でもできる子、という認識を持ってしまいます。

【例1】叱られる怖さから思いを閉じ込めている

子どもは、基本的に叱られることが嫌いです。そのため、叱られないようにと嘘をついて身を守ろうとしてしまうことがあります。これは、大人であれば誰しもが一度は経験していることだと思うので、叱られたくないから嘘をつくという子どもの心理は分かると思います。

もちろん、家庭内でのルールを守るということで、時には子どもを叱る必要もあるでしょう。しかし、恐怖を感じるような必要以上の叱責や、子どもの意見を聞かずに頭ごなしに叱ることは、子どもと良い信頼関係を築けない原因となってしまいます。

【例2】親からの過度な期待に応えようとしている

親が子どもに過度の期待をし過ぎてしまうのも原因のひとつです。親をがっかりさせたくない、心配をかけたくないという気持ちから、子どもが無理して頑張りすぎてしまうというケースです。勉強や運動、習い事など、本来大切なのは子ども気持ちです。親が子ども以上に夢中になってしまったり、失敗を許さず完璧を求めてしまったりするのは危険です。

失敗や悩み事など、本来親に相談したいことを話すことができないので、本来サポートしてあげるべきはずの親が、子どもの不安に気づいてあげることができなくなってしまいます。

いい子を演じる子どもの負担

家の中でいい子を演じている子どもは、家庭の中でありのままの自分を受け止めてもらえないため、そのストレスが外で爆発するケースが多いです。以下のケースはその典型的な例です。

・友達に対して攻撃的になりキツくあたる。
・楽しくて開放的になるとテンションが上がり過ぎてしまう。
・家庭で甘えられないので、その気持ちを担任の先生を独占することで埋めようとする。

家庭で我慢している分、外へ出たときの行き過ぎた言動が目立ってしまうのです。また、嘘をついたり我慢をして自分の身を守ろうとすることが習慣化すると、高学年や大人になっても自分の感情を自分で表現できない人間になってしまいます。

具体的な事例

実際に私が目の当たりにした具体的な事例を紹介します。

【例1】身を守るための嘘が虚言癖に

小さい頃、父親中心の生活を送る家庭で育ったため、母親から父の機嫌を損ねないように我慢してくれと言われながら育った少年。父親や父方の祖母からは、何か失敗するとすぐに叱られてしまうことから、嘘をついてごまかすようになります。

小さい頃に認めてもらえなかった体験から、大人になってからの承認要求が強く、嘘をついて自分をかっこよく見せてしまうことが習慣化してしまいました。これは、私の主人の事例です。カウンセリングに通って、治療をして頂きました。

【例2】完璧を求めすぎて、できない自分を受け入れられない

両親が完璧主義なため、これまでの習い事は全て親の意思で決められてきた女の子。持久走大会で遅かったからとの理由で、親がスポーツクラブに入部させました。彼女自身も完璧しか受け入れられなくなっていて、コーチから怒られたり注意されたりすることが苦手でした。

親に失望されたくないという気持ちで頑張っていたようですが、失敗したくないという思いがあるので難しいことにはなかなかチャレンジができません。上手くいかなかったときは、必ず理由をつけて自分の失敗を受け入れられませんでした。

彼女は、友達とトラブルがあったり、色々な悩みがあったりしたときも、誰にも話すことができなかったそうです。両親を心配させたり、がっかりさせたくなかったと言っていました。

対策は家庭で、ありのまま姿を受け入れてあげること

親子の信頼関係を築くためには、しっかりと親子間のコミュニケーションをはかることが大切です。子どもの素直な感情を、親がしっかりと受け止めてあげましょう。そして何かあったときには、叱るだけでなく子どもの意見や考えに耳を傾ける場面を持つことが大切です。

子どもだって大人と同じでひとりの人間なのです。自分の考えや思いを持っています。明らかに間違ったことをしている場合には子どもを導いてあげることが親の役目ですが、そうでなければ本人の思いを尊重してあげましょう。

親の思いが一人歩きしてしまうと、それは最終的に子どもに返ってきます。親子の会話を大切に、お互いが向き合う時間を取っていきましょう。

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